イブネ

【山　域】　鈴鹿
【日　付】　'04/ 2/12
【天　候】　晴れ
【人　員】　単独　　
【ルート】　フジキリ谷→北谷左岸尾根→銚子→ 　　　杉峠→ フジキリ谷
　　　　　　　7:30発 　　　　　9:05 　　　　12:15〜13:00 　　14:30 　　16:30着

　岩ヶ谷林道に入ると意外にも鉄橋まで除雪されていた。山道になっても雪は少なく一安心。昨シーズンは登山路が凍結しておりアイゼン不調で難儀したため今回はしっかり準備してきたが使うまでもなさそうである。北谷左岸尾根に入る分岐まで来たがこのルートの踏み跡はなかった。急登の続く左岸尾根も最初はあまり雪もなくワカンも不要。長丁場に備えドーナツを持ってきたので一登りしては一個ずつ腹に入れながらゆっくり登っていく。右から尾根が合流する辺りで例年通り雪量が増えたので今季はじめてワカンを装着した。今まではこの尾根を登るとこの辺りや背後の雨乞岳に綺麗な霧氷が見られたのだが残念ながらここ数日の好天で全く見られなかった。新雪がないのでワカンもほとんど沈まず快調に進むとこの辺りで一番見事なブナの古木に今年も対面できた。

　このブナのある地点からすぐの地点に佐目峠をしめすプレートがありやっと昨日のものらしい踏み跡を見つけた。佐目峠まで来たがあの丸石は埋まってしまい１ｍ程は雪が積もっているようだ。テープ沿いに歩いても枝が邪魔をするのが納得できる。峠・イブネと進むにつれて踏み跡は少なくなってきた。もちろん雪は締まっているので歩くには何の不自由もない。久し振りにまず稜線上をイブネ北端まで進むことにする。ここから・１１２５付近まで散策するとブナ等がありいい雰囲気なのだが時間もなくとりあえずはクラシに行く途中のブナの木に越百岳と彫られた地点までそのまま進んで稜線上を銚子に向かうことにした。最近はいつもここで昼食をとり舞台袖の天然杉を眺めながらイブネ劇場で観劇することにしている。何時だったか青空と霧氷の素晴らしい色調の天然色上映を見たのが忘れられないのである。残念ながら今日は霧氷もなく青空も淡い色彩であったが雪庇がうまい具合に丸くなった地点に腰を落ち着けると風もなく特別シートが出来上がり雪で冷やしたビールが美味かった。人気のないイブネの雰囲気を味わうことができた。

　帰りはクチクマ谷の源流に一旦下りてみることにした。好天で源流は既にところどころ雪が溶け水が流れていた。この谷は最後で二つに分かれており銚子から見える谷は特に杉が多く流域面積も大きい。源流を渡り笹がほとんど隠れた尾根にのるともう片方の源流が見えたが横断するのは止め再び杉を眺めながら緩やかな雪原をイブネに戻ることにした。今日は暖かすぎて冬の凛とした雰囲気は味わえなかったがここまで来られただけでもよしとしよう。帰りの道になると雪原を踏む都度、薄く凍った氷がパリパリと心地よい音で砕けていった。

　杉峠経由で帰ったが昨年苦労した斜面のトラバース部も簡単に通過できた。登りで見かけたフジキリ谷の透明な氷も夕刻には白く濁っていた。

フジキリ谷にて	左岸尾根を上り詰めると樹林の台地になる
左岸尾根ルートで見られるブナ	佐目峠付近
杉峠手前より御在所	同じくイブネ東部