鈴北岳の夜明け
　
【山域】　鈴鹿　鈴北岳
【日付】 　97/7/22　
【天候】　晴
【人員】　 単独
【時間】　鞍掛峠東口登山口3:45---鈴北岳5:03---鈴北岳6:30---鞍掛峠東口登山口7:45

深夜のコンビニでおにぎりを仕入れ鞍掛峠に向かう。
車の外気温度計では家を出る時が２１度だったが峠では１６度になる。
夜間登山は大昔に伊吹山に一度登ったきりで本当に久しぶり。
コースは通い慣れた道で安心できるところといえば
数年前の難路が様変わりした鞍掛尾根が真っ先に思い浮かんだ。
幸い今朝は月齢も満月に近く助かる。

3:45　いよいよ東口から歩き始める。
少々恐怖心があったのだがいきなり登山口の小屋付近から犬の叫び声が聞こえびっくりする。

日中の３０度に比べると半分だというのにやはり夏の鈴鹿。
歩き始めるとかなり暑くなってきた。
峠に近づくと風が出て少しひんやりとする。
月明かりとはいえ樹林に入ると暗くなり少々気持ちが悪い。
鹿や猪が突然突進してきたらどうしようかなと考えながら登っていくうち

早くも鳥の鳴き声が聞こえてきたずいぶん早起きだ。
4:30頃になると東の空もだいぶん明るくなりランプを片づける。
日の出の時間を見ておいたら5:00頃だったので少し急ぐが
鈴北の少し手前で時間通り赤い太陽が姿を見せ始め

5:03山頂に着いたときは丸くなっていたが真っ赤で
ギラツキもなくしばらくそのままの姿でゆっくり昇っていく。
中里ダムの少し右手だった。数分遅かったがまずまず。
遠望はあいにくで伊吹山が見える程度だったが
下の方にもやがかかっており
雲海のような感じで右手の方に拡がっていた。

去年の年末に登った三国岳と烏帽子岳間の尾根には
既に鉄塔が出来上がっているようだ。
少し辺りを散策しようと歩き始めた途端
数頭の鹿が綺麗な栗色の体を見せ目の前を駆け抜けていった。
その後でピューという鳴き声が聞こえたが
その中にまた犬の鳴き声が確かに聞こえる。
鹿と犬が遭遇したようだ。
真の池付近まで進んでみると焼け跡には結構植物が茂り始めている。
芝生状の草などや笹の芽もぼちぼち生え始めている。

丸山側の樹林からも犬の声が聞こえる。
朝のおにぎりでも食べようと草原池の方に進むと
大きなドリーネの向こうの樹林に何やら獣の気配。
確かめてやろうと腰を据え食事にする。
足音は聞こえなくなったが上の枝が何やら激しく動いている。
早速双眼鏡を取り出し確認すると人によく似た顔でこちらを睨んでいた。
さては緑水氏が目撃されたという新生物かもしくは藪漕ぎ異星人かとも　
どきっとしたがどうもお猿さんのようだった。

そのうち焼け跡にも日が射し始めたので再度元来た道を
花でもないかとのんびり探しながら下る。

今の時期花は少ないようで綺麗だったのは数輪のナデシコ程度。
点在するバイケイソウは花も終わり種を付けていた。
朝は鳥の種類が多いようで多く飛び立つがさっぱり分からない。
車に帰ると早くも２３度に上昇している。
今日も暑くなりそう。